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2005年 03月 03日
宇宙ペンの話の前に
宇宙ペンの話の前に_c0057440_17201451.jpgBelle and Sebastian/Fans Only[DVD]

バンドとは生活ですよね。で、belle and sebastianのDVD"Fans Only"なんだけど、メンバーが自己紹介がてら適当なことを言っている場面は、短編映画のようにそれぞれの生活(人生、と言ってもいいが、ちとクサイ)が切り取られていて、しみじみとさせられる。行ったことないけど、スコットランドの風景が、彼らの背後に広がって見える。そんな感じがする。
最初に登場するイゾベル(この人はベルセバ抜けちゃいましたね)は、まだ音楽の話をしている。次のクリスは最初は地元チームのセルティックの話題から入って、だんだんと初めてのライブの思い出に。これも、音楽の話。だけど、三番目に出てくるスチュワート・マードックは、最初から最後までバスの話。
「僕ほど乗り物に精通するようになると、快適な車両が分かるようになる」
スチュワートは、バスを見る目が養われた、と言ってモノローグを終える。赤い二階建てバスの前をグリーンのジャケット(たぶん運転手の制服)を着た彼が横切っていく。

ベルセバを好きな理由の一つとして、スチュワート・マードックのダンスがある。ベルセバの音って、言ってみれば弱々しい。少なくとも、彼らのファンではない人たちはそう思っていて、"Fans Only"の中でも、ブラジルかどこかのTV番組に出演した時、司会者に弱々しさを揶揄されるシーンがある。映画のほうの「ハイ・フィデリティ」でも、主人公のレコ屋の小さくて気弱なほうの店員が「好きなバンドは?」と訊かれて、小声で「ベル&セバスチャン」と答えるシーンがあった。ほらね、世間様の視線が分かるでしょ? ベルセバはベルセバ好きな人たちに、ひっそりと愛されている。そのファンの輪は世間的にけっこう大きくて、バンドは賞を取ったりもしてるが、好きじゃない人たちの認識では、彼らは永遠に弱々しいバンドなのだと思う。

でも、彼らの音にはすっごくいいグルーヴがあって、なかなかにパワフルだったりする。で、視覚的に一番分かりやすくそれを表現しているのが、スチュワート・マードックのダンスだ。実はマッチョな彼は、ぴったりしたポロシャツを着て、踊りまくる。そのダンスは自分自身のためだけのダンスで、踊りたいから踊ってるという感じ。こういう自由なスタイルは、淡々としてるけど説得力がある。でもって、美しい。バスが好きで、音楽が好き。そんなふうに毎日暮らしているうちに、いつの間にか不純物が混ざらない体になっていたという感じ。そういう人が表現へと向かえば、そりゃ、出てくるものは力強い。
スチュワート・マードックは、最初の頃、インタビューに全く出てこないということで知られていたけど、確かにね、かしこまって話すことなんか何にもないよなー、と。バスのこととか訊かれるわけないし。
あ、これは全部、僕の妄想であって、本人が何考えてるかは知らないです。(suzuki)

by clubheaven | 2005-03-03 17:21 | recommended


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